鉛筆の使い方に慣れてきたら、次は練りゴムを上手に使う方法を覚えましょう。鉛筆デッサンをするときに、なぜ、普通のプラスチック消しゴムだけではいけないのでしょうか。あなたは、細かい文字を消しゴムで消すときに消しゴムの角が丸くなっていて上手く消せず、カッターで切り落としたり、ケースから取り出して消しゴムのおしりのほうを使った経験はありませんか?デッサンをするときにも、髪の毛のような細い線を白く抜きたいという局面が、しばしばあるはずです。そのようなときに、自由形状である練りゴムが、役に立ってくるのです。
反射率の高いモチーフの場合、照明の光が物体に映ったりします。また、髪の毛の表現をしたいときにも細く光をいれたくなるでしょう。(あまりやりすぎると白髪になりますが。)そういうときに、練りゴムを細くつぶし、まるで鉛筆のように白く抜 いてみましょう。思ったよりよく消えないでしょうが、全体として見ると、いい抜け具合だったりします。一気に消そうとせず、全体を見ながら少しずつ抜きましょう。
感覚としては、消すというより鉛筆の粉を紙から取り除いて行くといったところです。その他に平たくしてたたいたり丸めて転がしたりと、様々な使い方があります。絵に、こうしなくてはならないという決まりはないです。自由に使ってみましょう。
今回はリンゴを描きましょう。リンゴは真上から見ると5角形をしています。このことを意識して、さっとアタリをつけたら、時間をかけて形の変わり目を追ってみて下さい。形の変わり目とは、物体の面が大きく変化している線のことをいいます。ここを少し強めに押さえると、モチーフの立体がハッキリと見え、量感の豊かなデッサンになります。形の変わり目が狂うと、物体の形が大きくゆがんで見えます。よく観察して、丁寧に描き進めて行きましょう。