今回は、自分の手のデッサンをしてみましょう。今までのレッスンでは球体に近い
モチーフを選んでいましたが、今度はもう少し形が複雑になり、高度な技術が必要と
なります。しかし形の変わり目を押さえていくという基本を忘れなければ、それほど
戸惑うこともないでしょう。
人間の手や人物、動物といった生き物を描くときには、まずその骨格を理解しなけ
ればなりません。そのためにいきなりデッサンに入らず、クロッキーをしておくのが
普通です。クロッキーとは耳慣れない言葉かもしれませんが、骨格や動きを理解する
ためにはとても良い方法です。鉛筆などの緊張した線によって、物体の立体を表現し
ます。このときに、細かく鉛筆を動かさずに意識して一本の線を長く引きましょう。
緊張感のある線を引くために、紙よりもモチーフの方をよく見て描きます。短時間で
描くことに意味があるので、一枚につき10分から15分位で上げるようにします。
紙はクロッキー帳を使いましょう。固くならず、線の遊びだと思って楽しんで下さい
何枚かクロッキーをとったら、いよいよデッサンに移ります。最初は開いた手より 握った手の方が描きやすいでしょう。
この例の視点位置が描きやすいと思われます。 自分の片手がふさがっていると描きにくいかもしれませんが、形を取る段階で丁寧に 描き進めていけば、細部のかき込みが楽になります。
良く観察することを忘れずに、 立体としての量感を追ってみましょう。